リフォーム基礎知識

リフォーム計画のイメージ
   

リフォームの手順と建築基準法による制限・実現難易度について

リフォームをしたいと思っても、ただ漠然と考えているだけではなかなか踏み切れないものです。
実現するにはしっかりした計画が必要なのは言うまでもありません。
また、リフォームと一口に言っても、実現可能でも難易度が高いものや、様々な規制や安全性の面から実現不可能なこともあります。
ここではリフォームの一般的なプロセスを紹介するとともに、建築基準法にまつわる制限や、リフォームの種類ごとの難易度について解説します。

リフォームの依頼から完了までの手順について

どのようなリフォームでも以下のように進めることで、やり直しや後戻りなどをしなくて済みます。
いつ何をすればいいのかある程度わかっていれば、依頼するときに悩まず、後々後悔することもないでしょう。

① 希望事項を洗い出してどんなリフォームをするか決定する

まず最初にどんなリフォームを行いたいのかの希望を洗い出します。
ここでは出来るだけ細かく要望を決めておきましょう。
例えば、建物の老朽化による補強や安全化や快適性に関するリフォームなら「床や壁などは自然素材を使いたい」、浴室やトイレ、太陽光発電といった設備に関するリフォームなら「○○というメーカーの○○という設備を使用したい」といったことです。
ここをしっかりやっておくと、次の業者の絞込みや、業者による設計や見積がスムーズになります。

② リフォームを依頼する業者の絞込み

リフォームに関するおおよその希望事項が決まったら、依頼する業者の絞り込みです。
各リフォーム会社や建築事務所がどのようなことをやっているのかを調べて、自分の希望するリフォーム内容に合致した業者を探します。
一般的にはこの時点ではリフォーム業者を1社に絞る必要はなく、3~5社程度をピックアップして資料請求や相手側の反応を待つ事になります。

リフォーム業者を紹介する女性イメージ

ここで活用したいのがリフォーム一括見積サイトです。
リフォーム一括見積サイトは、いわば顧客とリフォーム業者のマッチングを行ってくれるサイトで、一定基準を満たした加盟リフォーム業者の中から、希望のリフォーム内容に適した業者を紹介してくれます。
サイトごとに加盟基準などは異なりますが、昨今の悪徳業者にまつわる報道などを受け、かなり厳正な基準をクリアしないと加盟店になれませんので、コネがない人でも優良業者を見つけることができるでしょう。

③ 依頼業者による設計と見積

依頼者から要望を聞いた業者は設計を行っていきますが、リフォームにおける設計を行います。
リフォームの設計は新築の家を一から設計するのとは異なりますが一般的には以下のようなものになります。
また、希望するリフォーム内容が技術的、法律的に実現可能かの判定も行います。

  • 床、壁、天井の面積を計測する
  • 使用する建材や設備機器を決定する
  • 外壁や屋根の色や材料、仕上げ方法を決定する

業者はある程度の設計を行ったら、次は設計事項に基づいた工事費用の見積をします。
見積書として、工事の項目や項目の費用内訳を記載し、設計事項と共に依頼者に提出されます。

④ 設計事項の詳細と依頼業者の決定と工事請負契約

業者から受け取った設計事項と見積書をよく精査して、リフォーム工事を行う項目と依頼する業者を決定します。
依頼業者を決定したらその業者に工事請負契約書を作成してもらいます。
工事請負契約者とは以下を一冊の書類として作成したものです。

  • 設計事項
  • 見積書
  • 契約条項・契約約款

ここで注意したいのはリフォーム工事の場合は簡易な工事も多いからか、設計事項や契約条項・契約約款などを省略してしまい、見積書だけで工事請負契約を締結してしまうケースが頻繁にあることです。
このような契約締結をしてしまうと、後日に紛争などのトラブルにつながりやすく、ひとたび紛争になった場合、解決するために莫大な時間と労力がかかってしまいます。

リフォーム契約のイメージ
そのため、依頼しようとした業者があいまいな契約書しか作ってくれなかった場合は、必ず設計事項、見積書、契約条項・契約約款の作成を依頼しましょう。
もし設計事項、見積書、契約条項・契約約款の作成を依頼しても渋るようなら、その業者への依頼は見送って別の業者を探すようにしましょう。
なお、業者の選定をリフォーム一括見積サイトで行った場合は、当該サイトの運営にもその旨の報告をして、改めて設計事項、見積書、契約条項・契約約款の作成をしてくれる業者の紹介を依頼するか、別の一括見積サイトを利用しましょう。

⑤ 工事前準備~着工したら頻繁に見学して進行状況をチェック

工事請負契約を無事締結できたら、依頼業者は契約に定めた工事着工日から工事を開始しますので、着工日前に事前準備を済ませましょう。

まずは、工事中の苦情・トラブルを避けるためにも、事前に近隣のお宅への挨拶をしておきましょう。
一戸建ての場合、両隣はもちろん、数件先までの範囲に騒音や通行での迷惑がかかる可能性がありますので、しっかりと丁寧な挨拶をしておきます。
マンションリフォームであれば、両隣はもちろん階下、階上とともに、その左右のお宅へ挨拶をすると共に、マンションの管理組合へ工事の届け出をし承認を得る必要があります。
リフォーム業者に挨拶の際に同行してもらうのがおすすめですので、リフォーム業者に相談してみましょう。

また、着工日までに引越しが必要な場合は引越しを完了させておきます。
なお、後述しますが引越しをしないでリフォームを行う場合もあります。
その場合は業者が工事しやすいよう環境を整えるようにしましょう。

実際に工事が始まったら、工事の実行の障害にならない時間帯を選び、工事の見学を頻繁に行うようにしましょう。
見学をする理由は以下の2点です。

  • 契約内容どおりに工事が施工されているかチェックする
  • 壁の中や屋根裏、天井裏、床下など、工事完了後には見えなくなってしまう部分を確認しておく

当然ですが、見学した際に疑問を感じた部分があれば、遠慮なく業者に説明を求めるようにしましょう。
このときに、ペットボトルのお茶やお菓子などの差し入れなどしつつ軽くコミュニケーションをとり、良好な関係を築くようにするとよいでしょう。

⑥ 工事竣工(コウジシュンコウ)

工事竣工イメージ契約内容どおりにリフォーム工事が完了したら、依頼者と業者が立ち会って工事完了確認を行います。
確認して契約内容に相違が無ければ、工事完了確認書を取り交わし、工事代金の清算をおこなって、リフォーム工事終了となります。

 

引越ししないでリフォームはできるのか?

一般的にリフォーム工事を行う場合の多くが、工事期間中の引越しが必要になります。
しかし、高齢者と同居している場合など、出来れば引越しをせずに工事を進めたいという要望も近年増加しています。
このような場合でも、工事期間が長くなったり、コストも割高になるなどのデメリットは多くなってしまうものの、対応可能となることもあります。

他には、暑い時期や寒い時期を避けて工事を分割して施工したり、所要事項の全てをリフォームせず、一部妥協する事で完結する場合もあります。

いずれにせよ、ご家族の状況などに合わせて、業者と綿密に打ち合わせの上実行するようにしましょう。

建築基準法による制限について

建築基準法というと、新築時に適用されるものと思っている方も多いのですが、リフォームの場合でも建築基準法による制限を受ける場合があります。
例えばリフォームによって部屋の性質が変わったり、増築する場合や、その住宅が完成したときの基準と現在の基準が異なる場合などです。

これらの建築基準法による制限に引っかかってリフォームが出来なくなってしまう場合や、可能な場合でも費用が嵩む場合もあります。
実際に実現可能かどうかの判定は前述したとおり、リフォーム業者が見積する際に行ってくれますが、予備知識として以下の制限があることと、希望のリフォーム内容によってはできにこともあることを知っていると、業者との交渉もスムーズになります。

最も直面しやすい居室の採光に関する規制

住宅リフォームで最も多く直面する建築基準法による制限は、居室の採光に関する規制です。
ここでいう居室とは人が長時間滞在する部屋の事で、リビングやダイニング、キッチン、寝室や個人の部屋などが該当します。
玄関や廊下、浴室トイレ納戸などは居室に該当しません。

採光に関する規定の説明イメージ

建築基準法では、居室は「人が長時間居るには明かりが一定以上採れる部屋にしなければならない」という考えの下、居室床面積の1/7以上の大きさの窓を設けなければならないと規定されています。
例えば6畳の広さの部屋の場合、1畳分の大きさの窓が必要になるのです。
この規制が実際のリフォーム設計の場合に大きな障害となる場合もあるのです。
一つの部屋を分割する場合などに多く、一つの部屋は採光のために天窓を設置するようなケースもあります。
しかし、リフォーム対象の部屋が最上階でない場合は天窓を作ることも出来ませんので、建築基準芳情は居室とすることが出来ず、納戸などの扱いとなってしまいますし、実際に環境が悪い部屋となってしまいます。

そのほかの建築基準法に基づく規制

住宅リフォームにおいて、居室の採光に関する規制以外にも規制を受ける項目は多岐にわたり、規制によっては希望するリフォームが不可能な場合や、違法建築物の対象となるケースもあります。
以下でリフォームの内容と建築基準法によって受ける制限の関係を紹介しますので、これらのリフォームは依頼しようとしても建築基準法をクリアできずに実行する事が出来ない可能性があるということを参考知識として知っておくと良いでしょう。

リフォーム内容 建築基準法による制限
居室、浴室、キッチンの設置 換気設備に関する規定
増築 建蔽率・容積率に関する規定
一部を貸間へ変更する 長屋、共同住宅の規定(都道府県の建築安全条例も対象)
一部を店舗へ変更する 店舗に関する規定

リフォームごとの難易度について

リフォームと一口に言っても、その内容に応じて簡単なリフォームもあれば、難しいリフォームもあります。
そのため、ご希望のリフォーム内容によっては技術的な面や安全性の面から実現できない事もあります。
例えば建物を支えている壁に新しく窓を設置しようとしても安全性の面からできないといったことです。

ここではリフォームが難しくなる場合、どういった側面で難易度を判定するのかを、大きく分けて4種類に分類してみましたので確認してみましょう。

① 建築基準法などの法規に関する難易度

リフォーム内容によっては建築基準法の規定をクリアするのが難しくなる場合があります。
前述した建築基準法によって受ける制限はごく一部で、そのほかにも細かい規定がたくさんあります。
これらの制限をクリアするためにどの程度の工夫が必要なのかによってリフォームの難易度が変わってきます。

② 設計に関する難易度

主に間取りの変更や、居室の増設、二世帯住宅への変更などのプランニングの難しいリフォームは設計に関する難易度が高い傾向にあります。
限られたスペースを効率よく活用するための非常に高い設計力が求められるためです。

③ 理論の理解と遂行に関する難易度

理論の理解とその遂行力が求められるのは断熱リフォームや耐震リフォームなど、住宅の性能を向上させるためのリフォームです。
これらのリフォームを行うためには、その基礎となる理論である伝熱工学や構造力学を正確に理解した上での設計と施工遂行能力が求められますのでリフォーム難易度が非常に高くなります。

④ 施工に関する難易度

リフォームの工事種類によっては工事が難しくなるケースもあります。
住宅の耐久力上で主要な箇所(例:壁、柱、基礎)のリフォームや、隣の家との空きが少なく、限られたスペースを駆使しなければならない場合は難易度が高くなりがちです。

リフォームの各専門工事と難易度の関係

下記にリフォーム内容ごとにどの分野での難易度が高くなるかをまとめました。
記号の意味は以下のとおりです。

・・・非常に難しい
・・・難しい
・・・普通の難易度
・・・関連しない

リフォーム種類 法規に関する難易度 設計面の難易度 理論理解と遂行力の要求難易度 施工難易度
内装
外壁
屋根
建具
設備・機器交換
防犯
造園・壁面緑化
間取り変更
増築
改築
バリアフリー
二世帯住宅化
部屋用途変更
断熱工事
耐震工事
エネルギー効率化

よりスムーズにリフォームを進めるために

ここまでリフォームの手順と建築基準法による制限、4つに分類した難易度指標から見る制限を紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

リフォームを業者に依頼するときに、難易度が高くなると、高い難易度でも実現可能な業者を探す必要があるかもしれません。
場合によっては、どんな業者でも実現不可能なため代替案を用意するか、リフォームを断念しなければならない場合もあります。

こういった、「リフォームの手順」と「できることとできないこと」をあらかじめ知っておくことで、リフォーム業者との話し合いもスムーズになると思いますので参考にしていただければと思います。

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